世界的な金融危機のなかで、日本経済の悪化も顕著になっている。選挙が近いと考えられるなかで、日本の経済運営にも大きな関心が集まるようになった。残念ながらいま、経済運営は方向を誤りつつある。政治は当面の選挙での集票を意識して、政府の支出をやたらと拡大させたがる。定額減税、住宅投資減税など、政府の財布の紐を緩める話が連日新聞の紙面を飾っている。一方では官僚の主導で、社会保障国民会議が消費税引き上げ(4%)の必要性を報告するなど、気が付けば大きな政府への道が開かれつつある。考えてみれば、このような経済情勢下で消費税引き上げを論じるというのは、なかなかの“センス”である。 確認しておくべき重要な点がある。それは、近年の日本の株価がサブプライムの震源地であるアメリカよりも一貫して悪いパフォーマンスを示していることだ。昨年の日本の株価はマイナス11%。アメリカは6%の上昇だった。今年に入って、日米とも