民主党政権はあっさりと原発再稼働を決めた。自民党の長期独裁政治からの政権交代を掲げ、あれだけ政治主導を連呼したにもかかわらず、政権交代からわずか3年弱ですっかり官僚の操り政権と化してしまった。国民からすると「裏切られた革命」である。 野田佳彦首相は6月8日の記者会見で「国民の生活を守るために大飯原発の3、4号機を再稼働すべきというのが、私の判断であります」と述べ、原発再稼働を高らかに宣言した。昨年3月の福島第一原発爆発事故で「レベル7」という人類史に残る大参事を引き起こしたにもかかわらず、その戦犯官庁である経済産業省の術中にはまり、彼ら経産官僚の描いたシナリオに完全に乗った格好だ。 国内54基ある原発のうち、東京電力の福島第一、第二の合計10基は震災で壊滅的被害を受けて再開がままならず、残る44基は定期検査のため運転を止めている。北海道電力の泊原発3号機が5月5日に定期検査に入ったのを最後