「風呂敷を広げ過ぎているモノはたたむ」と言いましたが、これまでの市政方針を逆戻りにすることはダメです――。 橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)は19日未明、市の幹部職員たちにこんなメールを送った。 前日に開かれた市の幹部会議で、橋下氏は次の市長選に出ない考えを表明。12月までの任期中の施策に優先順位をつけるよう求めていた。メールは引退表明で組織が浮足立たないよう、釘を刺す内容だった。 大阪市をなくして五つの特別区を設ける「大阪都構想」の是非を問う17日の住民投票で賛成多数になれば、18日の幹部会議は橋下氏が特別区への「移行推進本部」の設置を宣言する場となる予定だった。それに備えて、4月の人事異動では各職場の主要職員を据え置いていた。 「市が残った!」幹部は涙 だが、結果は約1万票差で反対多数になり、大阪市の存続が決定。ある中枢幹部はテレビに速報が流れた瞬間、「大阪市が残った!」と涙まじりに