衆院選で立憲民主党は、政治とカネの問題の影響で自民党や石破茂政権への批判票の受け皿になった。だが、日本維新の会や国民民主党の議席を合算しても過半数には届かなかった。これは有権者が立民を政権政党として認めなかったことを意味するのではないか。 選挙前、立民の野田佳彦代表は「政権を取れる千載一遇のチャンス」と語っていた。確かにこれほどの逆風が自民やその政権に吹き荒れることは、そうない。それでも政権を取れなかった。この事実は重い。 一方の自民はいつまでも大敗に打ちひしがれている場合ではない。来夏の参院選でも与党が過半数割れした際には、政治はより不安定なものになろう。政界の混乱に気を取られ、外交安全保障に本腰を入れられなかった場合、ほくそ笑むのは中国、ロシア、北朝鮮といった専制主義国家だ。 衆院選の責任を取らずに居座り、選択的夫婦別姓など国の基本政策で発言が揺れ、言葉に信頼を置けない。そんな首相をい