大阪市近郊に建つイスラーム史研究者のための小さな住宅である。 両親と祖父母が住む古い木造母屋とは別に、個人もしくは夫婦二人で完結した生活が可能であること、研究や生活のプライバシーを確保しつつも、多数の友人を招いて歓談することが可能であること、また数トンという膨大な蔵書を収納可能であり、それらを保存するために適切な室内環境であることが、クライアントの主な要望であった。 近隣に残る古い民家と新しい住宅のどちらにも違和感なく馴染む形として、 方形型の屋根を持つボリュームを設定した。 その上で、膨大な蔵書を収納する用途を兼ねるために、厚さ25mm・幅300mmの板を相欠きにして組み合わせた木造格子壁を考案し、 このボリュームを支持する基本的な構造体とした。 この構造によって格子の横板の高さを基準にして自在に床レベルが設定可能となり、「調理する」「歓談する」「研究する」「眠る」など異なる行為のための
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