「夏ごろとはいったい、いつか」国内外の関心が集まった、福島第一原発にたまる処理水の海洋放出の開始時期。早ければ8月24日に決まった。そして24日午後1時ごろ、海への放出が始まった。IAEA=国際原子力機関が放出計画を「国際的な安全基準に合致している」と結論づけてから1か月半がたっての総理大臣・岸田文雄の決断だった。風評被害への懸念、想定を超えた中国との“外交戦”。決断の背景には何があったのか。舞台裏に迫る。 (森裕紀、清水大志、古垣弘人)※24日内容を更新しました。 海洋放出の開始表明 「具体的な放出時期については、気象・海象条件に支障がなければ、8月24日を見込む」 8月22日、岸田が表明した。 その上で、風評への影響や、なりわいの継続に対する不安に対処すべく、たとえ今後数十年の長期にわたろうとも処分が完了するまで政府として責任を持って取り組んでいくと重ねて強調した。 決断に対し「たまり