欧州宇宙機関(ESA)が2018年3月5日、大気の空気分子を推進剤に使う大気吸込型イオンエンジンの実験に成功したと発表した。現在実用化されているイオンエンジンとは異なり、大気から空気分子を取り込んで推進剤とするため、低軌道で長期運用する衛星に利用ができると期待される。将来的な惑星探査においても、他の惑星の大気、例えば火星の二酸化炭素を利用することも不可能ではないだろう。 従来のイオンエンジンは、キセノンやアルゴンを推進剤として搭載し、エンジン内でイオン化させて推進力を得ている。この場合イオンエンジンの稼働時間は、搭載する推進剤の量によって制限を受けることになる。今回ESAの研究者らは、大気から空気分子を取り込み、推進剤として利用するイオン推進エンジンを開発した。 ESAの研究者、Louis Walpots氏は「このプロジェクトは、高度約200kmを毎秒7.8kmで飛行するため、地球の上層大