2005年11月4日(金)の東京新聞の夕刊の特ダネ記事だった。「三島十代5作品公表=早熟の天才形成期」の見出しでだ。 「作家・三島由紀夫(1925~70年)が十代で書いた短編小説5編をはじめ、後年の書簡54通、創作ノート16点など、大量の未発表資料が、新潮社から刊行中の全集で初めて公表されることが分かった。芸術家の内面を掘り下げた短編などに確かな描写力が読みとれ「早熟の天才」の形成期を具体的に物語る貴重な資料だ。 また、同性愛や切腹を描き、60年に別名で同人誌に発表された小説『愛の処刑』の三島原稿が見つかり、初めて三島作と確定された。(中略) 「愛の処刑」は三島と親交があった作家で編集者の故中井英夫の関係者から、ノートに書かれた自筆原稿が編集部に寄せられた。中学の男性教師が愛する男子生徒の前で切腹する内容で、三島が書いたのではないかと推測されていた。今回、三島作と断定されたことで、2・26
