死刑囚に対する刑の執行が2年連続で0件となることが27日、分かった。法律の規定で年末の29日以降と土日祝日の執行はできない。1990年前後の3年超にわたる未執行以来、異例の長期となる。法務省によると、今月末時点の死刑囚は106人となる見通し。 直近の執行は2022年7月で、東京・秋葉原で08年に起きた無差別殺傷事件の加藤智大元死刑囚。年末時点での死刑囚の数は近年、100人超で推移し、昨年から1人減った。静岡県一家4人殺害事件で確定死刑囚だった袴田巌さんの無罪確定で対象から外れ、2人が病気などで死亡し、新たに2人が確定した。 確定したのは、福岡県小郡市の住宅で17年に妻子3人を殺害した元県警警察官中田充死刑囚(46)と、甲府市で21年に好意を寄せた女性の両親を殺害し住宅に放火した遠藤裕喜死刑囚(22)。遠藤死刑囚は事件時19歳で、改正少年法で実名公表が可能な「特定少年」初の確定死刑囚となった