東京・下町で街全体をホテルに見立てたまちづくりなどに取り組む会社「HAGISO」(東京都台東区)社長で、建築家の宮崎晃吉さん(42)=前橋市出身=が、10年間の歩みをまとめた書籍「最小文化複合施設―たまたま住んだ一軒のアパートからはじまる、東京・谷中の物語」(真鶴出版)を出版した。取り壊される予定だった空き家の活用から始まった活動が、地域の魅力を発掘したまちづくりに広がった経緯を紹介している。 同社は東京・谷中で、複数の空き家をリノベーションした宿泊施設やカフェなどを運営する。地域の人が参加するさまざまな教室やイベントを開き、人のつながりづくりや文化育成に取り組む。 カフェやギャラリーのある中心的な建物は60年以上前に建てられた「萩荘」という木造アパートだった。東日本大震災後に解体が決まった建物の“お葬式”として芸術祭を開いたことを端緒に、「最小文化複合施設」というキャッチコピーを掲げて改