ユーロ圏諸国が共同で資金を調達する「ユーロ共同債」。緊縮財政と景気悪化の悪循環を止めるために必要とされるが、ドイツのメルケル首相は頑なにこれを拒否してきた。ニューヨーク大学経営大学院教授でエコノミストのヌリール・ルービニが、その理由を米ブルームバーグTVで語った。 ルービニによれば、メルケルは以下の3点を懸念している。 1)モラルハザード メルケルは疑っている。いま破綻寸前にあるギリシャの債務を肩代わりするようなことを引き受ければ、次に危ないイタリアとスペインが債務削減の努力をしなくなる。 2)返済義務 ユーロ共同債を発行するのは、ドイツのような強い国がギリシャのような弱い国の借金の連帯保証人になるようなもの。もし返済が滞れば、ツケはドイツに回ってくる。 3)信用リスク 一方では国家債務の返済を保証し、他方では銀行から流出した預金の保証までさせられたのでは、ドイツは大きな信用リスクを負うこ