岩手、福島、和歌山3県の犬猫駅長たちが無名駅を全国区の人気に押し上げている。 ひなびた駅は今や観光名所。経営難に苦しむ第3セクター鉄道やローカル私鉄にとって、久々の明るい話題だ。 制服を着込んだヨークシャーテリアがとことこ駆け寄る。ホームに降りた客たちの顔がほころぶ。「マロン」が昨年6月から名誉駅長を務めるいわて銀河鉄道奥中山高原駅(岩手県一戸町)は、盛岡駅から50分。付近に著名な神社もなく、例年なら静かな正月も、今年は違った。 マロン目当てに連日約50人が下車。大阪や北海道から来る人もいる。マロンの携帯ストラップ1000個は半年で完売、昨年11月出版の写真集も初版8000部が間もなく売り切れる。 会津鉄道芦ノ牧温泉駅(福島県会津若松市)の猫駅長「ばす」は、昨年4月の着任から半年間で、前年同期の1・5倍の2万8000人を集客した。地元テレビ局の天気予報の背景にレギュラー出演して人気沸騰。「