最近の教科書は、漫画が多く、内容も乏しく、感動するような構成になっていないと指摘されている。 昭和20年代、30年代の国語教科書を読み返せば、うっとりするような物語がふんだんで、涙なしでは読めないものもある。 知識をいくら与えても、そこに感動や社会を深く見つめる視点がなければ知恵とはならず、良い人生を築く役には立たない。そこで、このところ集中して、時代を超えて各国の教科書を比較分析している。 7月28日の教育再生懇談会でも、米、英、仏、独、フィンランド、シンガポール、中国、韓国など各国の教科書を展示し、マスコミの方にも見ていただき、質と量の分析を行った。 比較していく中で、多くの国々では実生活での応用や職業意識を高める説明が詳しくなされているのが印象的であった。たとえば、理科では現代の衣食住の生活をとりあげながら、科学史、技術史、人類史を領域横断的にからませ、さらに具体的にさまざまな種類の