戦争の影が色濃くなる1941年、落語界は53の話を禁演とした。今年はその封印を解く復活祭から70年。「二度と繰り返さないよう歴史を伝え続けたい」。落語ファンらが願いを込め、30日、禁演落語を聴く会を浅草の寺で今年も開く。 当時、落語界は演題を甲乙丙丁に分類。丁種に属する遊郭、酒、妾(めかけ)などにまつわる53話を時局にそぐわない禁演落語として自粛した。「明鳥(あけがらす)」「五人廻(まわ)し」などの名作もあった。41年10月、本法寺(台東区寿2丁目)に「はなし塚」を建立し、台本を納めた。 空襲で多くの建物が焼失したが、はなし塚は残った。戦後の46年9月30日、落語家たちがその塚に集まり、復活祭を開いた。 聴く会は落語ファンらの企画で…