日銀は2016年9月21日の政策決定会合で金融政策の総括的な検証を行い、金融政策の枠組を変えた。従来のマネタリーベース目標から、長短金利目標とした。短期ではマイナス金利、長期ではゼロ金利だ。もっとも、長短金利操作付き量的・質的金融緩和としていることからも分かるように、同時に、長期金利については、「概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約80兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現する」としている。 これをどのように評価すべきか。まず、今回行うべきだったものは何か。筆者は、金融政策の目標は雇用の確保だと思っている。これは物価と失業率が逆相関になっているというフィリップス関係を前提とすれば、物価の安定と整合的だ。米国の金融政策を見ても、いつも失業率がどうなるかという観点から行われている。 伏線は、日銀、財務省、金融庁の3者会合 今のところ、失業率は3%と低い。ただし、まだ賃金は全面的