●『おやすみプンプン』(浅野いにお)(1)〜(3)。ぼくは浅野いにおって絵柄もお話もかなり苦手で、この作品も噂には聞いていたし、複数の人からすすめられてもいたのだけど今までどうしても手がでなくて、でも今日、本屋に行ったら三冊並んであるのが目に入って、それが「読め」って主張しているかのように見えたので、買って、本屋の二階にある喫茶店で読んだ。最初の一話分を読んで、なんかすごく悲惨な話になりそうな感じで、うわー、嫌だなあ、と思って、読み始めたことを後悔したのだけど、読み進んでゆくとそれほどでもなく、というか普通に「いい話」になっていって(もし、2巻の途中で母親が自殺していたら、そこで読むのをやめたと思う)、普通に面白いなあと思ったのだった。ごく普通にリアリズムの男の子の成長の話で、ぼくにとってのこの作品の面白さの中心は「愛子ちゃんがすっごくリアルだ」ということに尽きているのだが。細部の、意地の