第24回 姫路城昭和の大修理―素屋根工事 国宝・姫路城は、1993年に法隆寺地域の仏教建造物と共に日本初の世界文化遺産として登録された。この美しい城を守ろうとする人々の努力によって、築城から400年経った今もその堂々とした姿を見せている姫路城であるが、昭和初期には大雨によって石垣が崩れ、城の大天守は傾きかけ、見る影もなかったのである。今から50年ほど前に行われた姫路城の昭和の大修理に鹿島が携わったことを知っている、あるいは覚えている人はどのくらいいるだろうか。 400年前に築城 鎌倉時代末期の元弘3(1333)年、播磨の豪族・赤松則村が砦を築いたことがその起源と言われる姫路城に、城らしきものが築かれたのは正平元(1346)年のことであった。築城したのは則村の次男・貞則。初代姫路城主といわれる所以である。その後福岡黒田氏の祖・小寺重隆が天文24(1555)年から永禄4(1561)年の間に築い