「ミダス・リスト2016」2位のスティーブ・アンダーソンは、インスタグラムへの創業時の投資で知られる、慧眼の投資家だ。なぜ彼は、次なる“鉱脈”を誰よりも早く、次々と発掘できるのか。アンダーソン流の投資哲学に迫る。 その時、2人の若き起業家は岐路に立っていたーケビン・シストロムとマイク・クリーガーは、ソーシャル・チェックイン・アプリの開発に、実に7カ月間を投じたものの、まったく芽は出なかった。そこで、代わりに“ある写真共有ツール”をゼロから作ると決断した。 問題は、彼らにとって最初の出資者スティーブ・アンダーソンをどう納得させるか。彼は25万ドルの創業資金を4カ月前に提供してくれたばかりだ。 怒るのか、失望するのか、それとも理解を示すのか。今後の計画を聞き、顎の無精髭をなでながら、テーブルに目を落としたアンダーソンは、すぐさま顔を上げ、笑みを浮かべてこう言った。 「その決断に、何だってそ