乳糖不耐症の謎 2016年6月20日掲載 哺乳類は想像を絶する苦労と創意によりグルコースとガラクトースから乳糖を合成することに成功しました(2016年4月20日)。赤ちゃんがミルクを飲むと、小腸から分泌される乳糖分解酵素(ラクターゼ)が乳糖をグルコースとガラクトースに分解して吸収し、エネルギー源として利用します。しかし、成長するにつれてラクターゼの分泌は低下し、やがて分泌されなくなります。このため、乳糖を分解できなくなり、乳糖のまま大腸に至ります。すると、大腸内の乳糖濃度を薄めようとして水が入り込み下痢となります。また、大腸に棲んでいる菌が乳糖を分解しガスを発生させます。ガスが溜まると膨満感や腹痛をもたらします(図参照)。これが乳糖不耐症です。 一部の人種を除き、世界的には大多数の方は成長するとラクターゼを出さなくなります。突然ですが、「アイスマン」を覚えていますか?1991年アルプス山中