日本はアメリカ、フランスに続く原発大国。運転中の原発は54基で、福島、福井、新潟など、限られた地域に集中している。資源の少ない日本にとって、「原子力は少ない燃料でたくさんの電力を生み出すことができる」と推進されてきた。現在、電力の3割を原子力でまかない、20年後には4割以上に増やす計画だ。原発は石油や石炭に比べて二酸化炭素(CO2)の排出が少ないため、地球温暖化対策になると考えられている。 ◇推進の動き一転、各国が見直し ヨーロッパやアメリカでも原発は温暖化対策になると見直されていた。急速に発展し電力不足が予想されている新興国でも原発への期待が高まり、アジアや中東など60カ国が導入を考えているといわれる。だが、原発先進国・日本での重大事故が急ブレーキをかけそうだ。スイスは建設をしばらく認めず、新たに安全対策のルールを定めることを決め、中国も一時、建設を中止した。 ニュースがわかる 2011