東日本大震災から2年近くが過ぎた。東京電力・福島第一原子力発電所の事故からも、ほぼ同じだけの時間が経っている。ところが、日本の政策は科学的・技術的・論理的思考のかけらもないと大前研一氏は指摘している。さらに、原子力発電所を停止する理由に挙げられる活断層の存在も、原発の存続の論議のためには世界の常識から逸脱していると解説する。 * * * 現在、原子力規制委員会は「活断層」を理由に原発の再稼働にストップをかけようとしている。すでに規制委は調査の結果、東通原発の敷地内の断層を活断層と断定し、敦賀原発の真下を走る断層も活断層の可能性が高いと判断、大飯原発も重要施設直下に活断層があれば停止を指示する方針を示している。 しかし、昨年暮れ、福島でIAEA(国際原子力機関)の復興会議が開かれた際、地質学の権威であるNRC(アメリカ原子力規制委員会)のアリソン・マクファーレン委員長は「地層の一部を見ただけ