「拘束した人間が数歩でも動いたら射殺せよ」など、弾圧の実態が記された中国共産党幹部の発言記録(共産主義犠牲者記念財団の「新疆公安ファイル」から) 政府は新疆ウイグル自治区の人権状況に深刻な懸念を示す一方、公安当局から大量流出した内部資料については「コメントは控える」(松野博一官房長官)と踏み込んだ言及は避けている。政府高官は「現地の状況を調査するすべがなく、客観的に事実だと証明するのが難しい」と明かす。 ウイグル弾圧資料に死亡した日本留学生の名 欧米諸国は、中国政府のウイグル人に対する扱いを「ジェノサイド(集団殺害)」と非難する。ある自民党議員は「中国の人権弾圧は明らかだ。政府の発信はあまりに弱い」と語る。与野党の国会議員有志は政府に対し、集団殺害などの防止や処罰を定めた「ジェノサイド条約」への批准の検討を求めているが、具体化に向けた機運はない。 重大な人権侵害行為に制裁を科す「人権侵害制