2024年度の最低賃金(時給)は全国平均で1055円となり、10月以降、各地で適用される。引き上げ額は51円で過去最高だが、働く人はこの水準で足りるのか。一方で支払う側の負担増に懸念の声も上がる。物価上昇が生活を脅かす中、賃金の下限について考える。 <最低賃金> 全ての労働者に適用される賃金の下限。下回ると経営者と企業に罰金が科される。生活に必要な費用などを考慮し、国の審議会が示す引き上げの目安額を参考に、都道府県ごとに毎年度、改定される。全国平均は近年、コロナ禍の影響を受けた2020年度を除き3%超の上昇が続き、23年度に初めて千円を超えた。政府は30年代半ばまでに全国平均を1500円にすることを目標に掲げている。