11歳少年の命とサッカー界の責任 【金子達仁】2007年12月27日 なぜ国見高は地理的なハンデを乗り越えて、日本の頂点に立ちえたのか。OBの永井秀樹に聞いたことがある。 「背中かな」 それが彼の答えだった。 「俺(おれ)ら、遠征は全部、小嶺先生の運転するマイクロバスで行ったんですよ。会場まで行く。試合をする。帰る。俺らは熟睡してる。時々目を覚ます。先生の背中が見えるじゃないですか。あの人も疲れてるはずなのに、何も言わずにハンドルを握ってくれてる。それも何十時間も。あれをみて、この人のためにって思えなかったら男じゃないでしょ」 Jリーグが発足して、日本のサッカーは強くなった。各クラブは下部組織を充実させ、後に日の丸をつけるような選手を輩出するようになった。 だが、日本のサッカーを支えているのはJリーグだけではない。いや、Jリーグによって育てられた才能は、むしろ少数派と言えるかもしれない。い