地球温暖化による健康への影響は、国や地域によって異なります。具体的には、下痢性疾患の増加、動物媒介性感染症の増加、光化学オキシダント濃度の上昇による循環器・呼吸器系疾患の増加、熱ストレスなどがあげられます。途上国では、下痢性の疾患による小児の死亡や、マラリアやデング熱といった動物媒介性感染症が大きな問題となっています。しかし、日本の場合は、上水道が整備されているため、不衛生な水が原因となる下痢性疾患の心配はありません。動物媒介性感染症についても流行地域からはずれており、海外旅行者が現地で感染して帰国するケースはあるものの、帰国後に二次的な感染を引き起こすリスクはそれほど大きくないと考えられます。 日本の場合は、直接的な影響として、熱ストレスやその典型である熱中症が、間接的な影響として、温暖化によって上昇すると予想される大気中の光化学オキシダントによる循環器や呼吸器系の疾患の患者の増加、が予