軍と大衆デモによってムルスィー政権が引き摺り下ろされた7月3日以降、エジプトで起きていることをどう見るか、国内外の議論は二分されている。それは「反革命」か、「革命の継続」か、という議論だ。 二年半前、「1月25日革命」で当時の長期独裁政権たるムバーラク大統領を辞任に追い込んだのは、雑多な勢力からなる大衆デモだった。無党派の若者層を中心に、旧左翼、リベラル、イスラーム主義勢力と、さまざまな人々が結集した。その圧力を背景に、政権内エリートだった軍がムバーラクを見限る形で「革命」は成功したわけだが、その後の選挙、憲法制定といった民主化過程で、ムスリム同胞団が権力を獲得した。異論反論はあれど、一応議会選挙と大統領選挙を経て成立したのが、ムスリム同胞団のムルスィー政権だったのである。 反ムバーラクの一連の運動を「民主化」への試みだったと考えれば、不完全ながらも選挙に基づく議会制民主主義を確立して、ム
(2013年7月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 自由と民主主義という2つの言葉は、「ジンとトニック」やお笑いコンビ「ローレルとハーディ」のようにセットで使われているようだ。西側諸国の政治家も、この2つの言葉をほとんど置き換え可能なものとして使っていることが多い。 米国のジョージ・ブッシュ前大統領は、「自由のアジェンダ」を推進していた2003年のスピーチで、「2500年に及ぶ民主主義の歴史において最も速いスピードで自由が進展」したと称賛していた。 選挙で選ばれた政府を倒したエジプトの騒乱 エジプト・カイロでは7月7日、ムハンマド・モルシ大統領を解任した軍を支持する人々がタハリール広場を埋め尽くした〔AFPBB News〕 しかし、エジプトで現在生じている政変は、自由と民主主義が常に同じものであるとは限らないことを示している。両者は時に敵同士にもなり得るのだ。 ムハンマド・モルシ大統領
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エジプトが揺れている。カイロは30年前アラビア語を2年間学んだ懐かしい町。そこで今、「尊重すべきは民意か、それとも安定か」が再び問われている。状況はあまりに流動的だ。民主主義の追求はかくも困難な選択を人民に強いるのだろうか。 不満を爆発させた群衆は大統領の即時辞任と民主選挙実施を求めた。今も健全な中産階級が育っていないエジプトにおいて、大統領追放で直ちに民主化が実現するとでも思っているのか。内政を牛耳る軍部とそれを支えた米国に対する民衆の不信はかくも根深い。 ムバラク大統領は即時退陣を拒否し、その職に居座る構えだ。「今辞任すれば国家が混乱する」などと本気で信じていたのか。自分こそムスリム同胞団などイスラム過激主義の防波堤だとムバラク大統領は自負するが、欧米諸国は聞く耳を持たなかった。 それどころか、オバマ大統領はムバラク大統領を見限り、同大統領に「正しい決断」を求めた。米国だけがエジプトの
会場からの質問: 今後のアラブの動向で、池上さんが一番注目している点はどこですか? 池上彰: アラブ世界はジャスミン革命によって、今、大きく変わろうとしています。その一方で「民主主義のジレンマ」に直面しています。 これはどういうことかというと、例えばエジプトでは、これまではムバラクによる独裁政権によって、ムスリム同胞団というイスラム原理主義勢力が抑えられていました。しかし独裁政権が倒れ、民主主義的な大統領選挙が行われた結果、ムスリム同胞団に非常に近い人物が大統領になりました。そのため今、イスラム原理主義勢力が勢いづいています。リビアもチュニジアもそうです。結果的に、いわゆる西洋的な民主主義の概念とは全く違った政治体制が生まれようとしています。 私たちが考える民主主義というのは、いわゆるアメリカ型の民主主義です。アラブ世界で独裁政権が倒れて「アメリカ型の民主主義になるか」というと、決してそう
私は過去数日、エジプトの反政府デモの現場を自分の足で歩き、若者たち中心のデモ隊をこの目で見てきた。称賛の念にも駆られたが、それはすぐに絶望感に変わった。 彼らがムスリム同胞団中心の政権による権威主義化を拒絶したことは高く評価する。ムスリム同胞団の唯一の実績と言えば、自分たちのメンバーや支持者をエジプト人の生活のあらゆる部分にねじ込もうとしていることぐらいだ。 しかし、称賛したい気持ちより、絶望感の方が大きい。エジプトの「2度目の革命」に良い結果はもたらされない。軍が再び実権を掌握し、彼らが言うように、憲法見直しで合意され、次の議会選挙が行われるまで暫定統治に移行するのだろう。モルシ大統領が率いるムスリム同胞団はこれに渋々ながら従うしかあるまい。
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