キャンパス内を全面禁煙とするかどうかで各地の大学の対応が分かれている。全面禁煙にした結果、キャンパス周辺で学生が路上喫煙するようになったため喫煙所を復活させた大学もあれば、禁煙を徹底するため、新入生に「たばこを吸わない」との誓約書を提出させる大学もある。学生の健康面だけでなく学校のイメージにも関わるだけに、大学側も頭を悩ませている。 ◆路上喫煙に苦情 中央大(東京都八王子市)の多摩キャンパス(同)には、「喫煙コーナー」と記した立て札のある階段脇のスペースに灰皿が並ぶ。立て札には「喫煙所の閉鎖を延期します」との貼り紙がある。 多摩キャンパスでは13か所の喫煙所を段階的に2か所に減らし、9月から全面禁煙を実施する予定だった。しかし、学生がキャンパス近くで喫煙するようになり、住民から苦情が寄せられるようになった。中央大は「全面禁煙にすればキャンパス周辺でたばこを吸う学生がさらに増え、大学のイメー
大分大は今月から、学生の喫煙率ゼロを目指して禁煙推進担当の学長特別補佐を新設する。たばこの害についての講演会を増やすなどして、学生の喫煙習慣を断つ。 大学が2009年に全学生約5700人を対象にしたアンケートでは、喫煙率は11・5%だった。 大学は、たばこを吸わない未成年の学生や、図書館などを利用する学生以外の人に受動喫煙による健康への悪影響を防ぐため、11年に構内を全面禁煙にした。 医師でもある北野正剛学長は「喫煙者と非喫煙者では寿命が平均して10~15年違う。喫煙習慣ができる前に健康への意識を高めてもらいたい」と話している。 同補佐の任期は2年。具体的な活動は未定だが、年1回だった講演会の回数を増やすことを検討している。将来は、教授や職員の喫煙もゼロにしたい意向だ。 文部科学省によると、禁煙担当のポストを新設するのは全国的に珍しいという。
熊本市池田の崇城大薬学部(629人、国枝武久学部長)は、11年度の受験要項に「入学者は非喫煙者とする」との事項を追記した。11月5、6日の推薦試験から適用する。同大によると、九州では初の試みという。 05年の学部開設当初から、教授会などで「卒業後は医療職に従事する学生が多く喫煙は慎むべきだ」などの意見が出ていた。08年にはキャンパス内を全面禁煙にしており、今年2月の教授会で正式決定した。 多くの受験者は未成年のため、喫煙可能な20歳以上の高校既卒者が対象。違反学生への罰則はないが、発覚時には学内の禁煙対策委員を務める医師の相談を受けたり、民間の禁煙外来の受診を勧めたりするという。 同学部の平山文俊教授(60)は「医療機関の求人先でも非喫煙者を求める例が多い。社会で禁煙の大切さを訴えられる人材を育てていきたい」と話した。【大塚拓三】
「入学者は非喫煙者とします」。熊本市の崇城大学薬学部が2011年度の入学試験の要項に、こんな文言を盛り込んだ。学生の多くが薬剤師をめざすなど、健康にかかわる学問を学ぶ以上は、たばこを吸わないほうが望ましいと教授会が判断。全国的にも珍しい取り組みという。 同大入試課によると、要項の注意事項欄に記している。受験生の大半は喫煙が法で禁じられた10代だが、浪人生などの成人もいるため「たばこを吸わない人に入学してほしい」という姿勢を見せるのが狙い。非喫煙を受験資格にしたり、入学後の誓約を求めたりするものではないという。 同学部は08年度から構内を全面禁煙とし、喫煙する在学生には医療機関の禁煙外来と連携して指導してきた。
構内禁煙の看板が立つ秋田大学手形キャンパス=田中写す 公共施設の禁煙が進む中、大学でも敷地内を全面禁煙にする動きが広がっている。日本学校保健学会の調査によると、健康増進法が施行された2003年度の22カ所から来年度は107大学151カ所と7倍に増える見込み。受動喫煙を防ぐだけでなく、未成年の新入生からたばこを遠ざける狙いもあるようだ。 ■不便だと吸わない? 秋田大の手形キャンパス(秋田市)は4月から、敷地内が全面禁煙になった。学生たちは休憩時間、校門を出て路上でたばこを吸う。3年生の安宅涼太さん(21)は「構内に喫煙所がなくなったから、ここで吸うしかない。不便だけど仕方ないです」と話す。 ほかにも鳥取大が昨年10月、福島大が今年1月に踏み切り、広島修道大、日本女子大は来年4月からの全面禁煙を決めた。ほかに、岐阜大や宮崎大がすでに取り組んでいる。 日本学校保健学会の「タバコのない学校
県内の大学で、構内を全面禁煙にする動きが広がっている。先月から福島大、今月から奥羽大が全面禁煙に踏み切った。他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」の防止を定めた健康増進法が施行されて7年近くがたち、昨年末には、税制改正大綱で、たばこ税増税が決まった。こうした流れの中、大学側には、学生の健康も考え、禁煙に弾みをつけたいとの意図があるようだ。 ■喫煙室外に煙苦情 2003年5月に施行された同法は、公共施設など多数の人が利用する施設の管理者は、努力義務として、受動喫煙を防止するための措置を講ずるよう規定している。県によると、中学と高校は、昨年5月の調査時点で、それぞれ82・9%、89・4%と、施設での全面禁煙が進んでいるが、成年と未成年が混在する大学で全面禁止に踏み切ったのは、06年4月に実施した県立医大(福島市)のみだった。 福島大(同)では、屋内の特定場所に喫煙室を設けるなどの分煙措置を講
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