出版業界では書籍の電子化に限らず様々な形でICT(IT)の利用が進められてきました。原稿のやりとりはメールなどを介して行われ、制作ではDTPが当たり前になり、商品や売上の管理などにはデータベースが広く用いられています。近年、コンピューターのダウンサイジング化や通信環境のブロードバンド化を前提に変化はさらに加速してきました。加えて、読者のICT(IT)利用により、読者が本の情報と出会う場(リアル・仮想空間問わず)の多様化も進んでいます。 書誌情報の標準化はいまだ道半ば ICT(IT)の利用を加速したもうひとつの大きな理由は標準化の流れです。例えばDTPにおいてはソフトウェアやフォーマット、さらにはフォントなどの標準化が普及のための重要な要素となりました。同様に、出版物に対するユニークコードとして1980年代に導入されたISBNとJANコードは出版社と取次を結ぶEDI(いわゆる出版VAN=新出