トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」 左派政党の間の協定によって、フランスに「社会正義」と「公正な税負担」が戻ってくる 左派政党「不服従のフランス」のメランション党首 Photo: Denis Thaust / SOPA Images / LightRocket / Getty Images
オンラインの大手書店の台頭などのため、日本でも「町の本屋さん」がどんどん減っているというニュースが報じられているが、そんな状況は諸外国でも同じようだ。 しかし、フランスでは個人が運営する独立系の書店を「文化的産物」と位置づけ、さらなる保護策を打ち出した、とこれまでの歴史を振り返りながら、米紙「ワシントン・ポスト」が報じている。 アマゾン配送料たった1セント フランスの新法は、とてもフランスらしい方法で、独立系書店を保護しようとしている。アマゾンなどの大手小売による割引を相殺するため、書籍配送に最低価格を義務付けるというものだ。 フランスでは、書店は必要不可欠な業種だ。少なくとも、フランスで3度目の新型コロナウイルスによるロックダウンが行われた際には、そうとされた。 文化的産物としての独立系書店の保護は、国家の優先事項でもある。1981年に制定された法律では、書籍は一定の価格で販売し、5%以
2021年02月27日 大書店の終幕 栄枯盛衰は世の習い。出版書店業界の場合、もはや落日に向かってとどまるところを知らないのでしょうか。 そんなことを感じさせるような嘆きのメールが、40年来の知り合いであるフランス人から送られてきました。 数日前、ル・モンド紙に発表された、Gibert Jeuneが「経営に長年苦しんだ挙げ句、永遠に暖簾を下ろした」という記事を読んで、大変に動揺したのだそうです。 近年経営が思わしくなかったことは知られていて、もう一軒のGibertであるJoseph Gibertに吸収統合されるような形になっていたらしいのですが、今回は完全に店を閉めるようです。 その記事がpdfで添付されているのですが、全17ページにわたっていることに驚きました。タイトルだけ追うと、ちょっとした社史のようです。それほどに大きな事件であるのでしょう。 ちなみに、新刊と古書を共に扱うこの書店の
フランス・シャロンシュルソーヌ(Chalon-sur-Saone)にある米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の配送センターで作業中の従業員ら(2012年12月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/PHILIPPE MERLE 【6月27日 AFP】仏上院は26日、国内の小型書店を保護する措置として、米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)などのインターネット小売り大手が値引きした書籍を無料配送することを禁じる法案を可決した。 下院でもすでに全会一致で可決されていた同法案は、今後2週間以内にフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領が署名して成立する見通し。 可決された法案は、アマゾンなどオンライン小売り大手に書籍の無料配送を禁止する内容。一方、書籍の販売価格は、既存の法律に従ってこれまで通り、最大で5%までの割引が認められる。 1981年に仏政府は小型
東京都写真美術館で行われていた恵比寿映像祭で、2月22日に「電子書籍化の波紋-デジタルコンテンツとしての書籍」と題したシンポジウムが開催されました。これは当日の昼間に放映された、Google Books にまつわる騒動を題材としたドキュメンタリー映画「電子書籍化の波紋《グーグルと知的財産》」と連動したプログラムで、グローバル化やデジタル化の波が「知的財産」や「電子書籍」にどのような影響をもたらすかについて、出版社・弁護士・哲学者・政治家などさまざまな立場から論じた内容です。 登壇者は、写真右から福井健策氏(弁護士)、神谷浩司氏(日本経済新聞文化部記者・討論司会)、角川歴彦氏(株式会社KADOKAWA取締役会長)、エルヴェ・ゲマール氏(政治家/前フランス経済・財務・産業大臣)、エリック・サダン氏(哲学者/エッセイスト)、ドミニク・チェン氏(株式会社ディヴィデュアル共同創業者/ NPO法人コモ
米国の電子書籍ニュースサイト「The Digital Reader」によると、仏国議会は先週、DRM付きの電子書籍に高い税率を課す法案を可決したとのこと。 この法案はもともと同国のグリーン党によって出されていたもので、DRM技術でユーザー囲い込みを図るAmazon.comやAppleが販売する電子書籍を文化財の対象としないと同時に、国内の電子書籍ベンダーに完全クロスプラットフォームな電子書籍の制作を促す効果を期待している。他のEU加盟国のグリーン党でも同様の動きが見られるという。 具体的な税率はまだ不明だが、DRMフリー作品よりいくらか価格が高くなることは必至だ。 関連記事 フランスのグリーン党、DRM付き作品に高税率を課すことを提案 フランス議会の電子書籍VAT問題に関する委員会で、DRM付き作品に高い税率を課す提案が提出された。 欧州委員会が2015年からVATルールを変更、Amazo
ギャンブルやバカラの本は人気上昇中です。ギャンブルに関する本の出版社を無視してギャンブルについて語ることはできないでしょう。こういった本は、読み出すと本当に面白いものです。世界中には多くの出版社があり、その数を数えたり、ひとつひとつ解説するのは不可能です。しかしここでは、ギャンブルに関する良質な書籍を出版している人気の出版社をご紹介します!他にもご紹介したい出版社はたくさんありますが、ここでは数社に限定しています。 (more…) ギャンブルやバカラの本は人気上昇中です。ギャンブルに関する本の出版社を無視してギャンブルについて語ることはできないでしょう。こういった本は、読み出すと本当に面白いものです。世界中には多くの出版社があり、その数を数えたり、ひとつひとつ解説するのは不可能です。しかしここでは、ギャンブルに関する良質な書籍を出版している人気の出版社をご紹介します!他にもご紹介したい出版
P2Pとかその辺のお話 WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。 以下の文章は、TorrentFreakの「French 'Three Strikes' Law Slashes Piracy, But Fails to Boost Sales」という記事を翻訳したものである。 原典:TorrentFreak 原題:French 'Three Strikes' Law Slashes Piracy, But Fails to Boost Sales 著者:Ernesto 日付:May 30, 2012 ライセンス: CC BY 仏スリーストライク法の影響に関する新たな報告書によると、昨年、フランスのインターネット海賊行為は半分に減少したのだという。世界中のロビイストたちがこの結果をネタに政治家にアピ
荒木飛呂彦もハマった 仏漫画「バンド・デシネ」の挑発2010年11月23日「氷河期」「天空のビバンドム」を刊行したニコラ・ドクレシーさん著者:ニコラ・ド・クレシー 出版社:小学館集英社プロダクション 価格:¥ 3,150 「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦さんが「ハマッたァァァーッ!!」という漫画が刊行された。「ハマッた」のはフランスの漫画、バンド・デシネ(BD)の作家ニコラ・ドクレシーさんの邦訳本2冊だ。日本の漫画家にファンの多いBD。魅力は日本とは違う作り方、読み方ができることにあるようだ。 日本のBD紹介誌「ユーロマンガ」編集長のフレデリック・トゥルモンドさんによると、BDは「一番庶民的なアート」。1960〜70年代にサスペンスやSFの作品が登場し、大人向けに定着した。 凝った絵画の連なりで物語を紡ぎ、作家はアシスタントなしで年1冊ほど刊行することが多い。現地では年に約3千タイト
米Googleと仏大手出版社Hachette Livreは11月17日、フランス語書籍の電子化での提携に向けた覚書を交わした。 覚書では、Hachetteがフランスで著作権を持つ絶版書籍を、Googleがスキャンして電子化することを提案している。スキャン対象はHachetteが決定し、スキャンに適さないと判断された書籍はGoogleのサービスから削除される。電子化された書籍はGoogleのサービスやオンライン書店で販売したり、オンデマンド印刷などの商用サービス向けに提供したりできる。 両社は、この提携は絶版書籍に新たな命を吹き込み、作家や学者、研究者、読者に恩恵をもたらす機会になると考えている。正式な契約に向けて今後6カ月で詳細を詰めるとしている。 関連記事 電子書籍販売「Googleエディション」、日本で年明けスタート 電子書籍を購入し、Webブラウザで閲覧する「Googleエディション
パリを離れた途端にインターネットに接続できる環境が整ったので、パリで見た文学的遺跡の数々を写真付きで紹介しようと思う。第一弾は、ヘミングウェイの記憶から。 ヘミングウェイが『移動祝祭日』の中で繰り返し描いていた書店、シェイクスピア・アンド・カンパニー(Shakespeare and Company)は今もパリにあり、1920年代の頃から変わらず、英語圏の国々から来た人びとのオアシス的存在である。 ヘミングウェイ、エズラ・パウンド、ガートルード・スタイン、フィッツジェラルドなどなど、数多くの作家たちが通ったのは、このお店がまだオデオン通りに位置していた時のことである。初代店主シルヴィア・ビーチはヘミングウェイの恩人で、第二次世界大戦でパリが占領されたとき、ヘミングウェイは真っ先に彼女を救いにこの書店へ駆けつけた。その時のヘミングウェイの様子はロバート・キャパの『ちょっとピンぼけ』に描かれてい
端的に言えば、フランスで本の売り上げの収入だけで暮らしていけているのは、30人くらい。 作家全体として見ると、そのうちの半数はほぼ無収入であり、年間1万5000ユーロ(1ユーロ=130円として195万円)以上の収入があるのは、9%ほどしかいないらしい。 ちなみに、昨年(2009年)1年間で、3807の小説が発表されたそうだが、ベストセラーの目安となる5万部を売り上げたのは、そのうちの20冊ほど。 つまり1%にも満たないわけで、それによって得られる収入、約10万ユーロ(1300万円)を手にしたのはやはり20人くらいと、ほんの一握りの作家に過ぎないという。 さて、そのブックフェアであるが、国内の300の出版社のほか、25カ国から100を超える出展があるという大イベントで、今年はスタートしてから30回目という、いわば記念の年に当たる。 元々フランスという国が文学、あるいはもっと広い範囲の出版文化
今回は日本でも話題のGoogle問題や電子書籍がフランスではどんなことになっているかということについて書こうと思う。 話を始める前にまずフランスってどんな国なのってお話から。 フランスといえばやっぱり芸術・文化の国というイメージあるいはワインやチーズといったグルメの国…、おそらくどちらももっとも一般的なフランスのイメージではないかと思う。しかしその一方で、科学・工業技術は世界屈指のものを持っており、いわば技術大国でもある。一番イメージしやすいのはイギリスとの共同開発のコンコルドではないだろうか。また例えば鉄道(高速鉄道、すなわち新幹線)技術。この分野では日本と世界の市場を分け合っている。また原子力、ロケット技術といった分野でも世界有数の技術力を誇っている。 そんなフランスは、通信技術の面でも先進国家である。例えば1980年代には、ミニテルと称する通信端末を各家庭に電話帳にかわり通信端末を配
『みすず』2009年12月号所収のロジェ・シャルチエ「デジタル化と書物の未来」を読んだ。シャルチエと言えばヨーロッパにおける読書の歴史の大御所である。その大御所が、昨今のGoogleをはじめとする書籍の電子化、あるいは電子図書館関連の問題を語るのだから必読であろう。 読むことの歴史―ヨーロッパ読書史 作者: ロジェシャルティエ,グリエルモカヴァッロ,Roger Chartier,Guglielmo Cavallo,田村毅,月村辰雄,浦一章,横山安由美,片山英男,大野英二郎,平野隆文出版社/メーカー: 大修館書店発売日: 2000/05メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (16件) を見る 書物の秩序 (ちくま学芸文庫) 作者: ロジェシャルチエ,Roger Chartier,長谷川輝夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/04メディア: 文庫 クリック: 4
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