兵庫知事選は斎藤元彦氏が返り咲いた。パワハラで県庁職員とマスコミから叩かれつづけ、県の労働組合は辞職要求を出し、兵庫県議会は自民党から共産党まで含めての全会一致で不信任決議を出した。選挙戦中には兵庫県の22人の市長が連名で斎藤氏を再選させるべきではないとの異例の声明を出し、日本ファクトチェックセンターは、パワハラはでっち上げだという斎藤氏の擁護側の主張を根拠なしと断じた。いわば、四面楚歌だったはずで、それを覆しての勝利である。全国レベルでの知見と兵庫県内での知見に大きな差があったと言っても良い。 本稿の目的はその落差を多少なりとも埋め、起こった事態を理解することである。そのために兵庫県民へのアンケート調査を投票直前に行った。結論は以下のとおりである。 (1)斎藤支持者の7割は、斎藤氏のパワハラはマスコミの捏造と考えており、また、8割は今回の辞任劇は斎藤氏が進めた改革に反対する既得権益層が起