軽減税率の導入で消費税の逆進性は解消しない(日経ビジネスオンライン)
一生のスパンで見れば消費税に逆進性はない
また、この連載コラムの読者にとっては既に当たり前の事実であるが、消費税が逆進性を持つというのも誤解である。というのは、一時点における年収ではなく、生涯賃金ベースで増税負担を見る場合、「逆進性」は概ね消えてしまう。この理由は単純だ。各個人が生涯に消費する金額は、基本的に、生涯賃金に一致する傾向があることに関係する。
この理由は以前のコラム「消費税に「逆進性」は存在しない」でも説明したが、もう一度簡単に説明しよう。議論を簡単にするため、生涯賃金が10億円のAさんと生涯賃金が2億円のBさんがいて、両者とも遺産を残さずに寿命を終えるとする。この時、AさんとBさんが合理的であるならば、その生涯ベースの消費はそれぞれ10億円と2億円になるはずである。
その際、両者が生涯で直面する消費税率が仮に10%とすると、AさんとBさんが負担する生涯ベースの消費税負担は1億円(=10億円×10%)と0.2億円(=2億円×10%)と計算できる。この消費税負担額が生涯賃金に占める割合は、どちらも10%で同じである。
日経のサイトで、すんげーバカがコラムを書いているわけです。朝日新聞とかもそうですけれど、あまりにも頭の悪い人の作文ばかり載せていると新聞社としての良識を疑われるばかり、信用を損ねるばかりと思うのですが、まぁ朝日も日経も編集部の人間は一度、病院で頭を診てもらった方が良いんじゃないでしょうかね。で、すんげーバカが軽減税率に難癖を付けつつ、消費税という名の逆進課税を擁護しているつもりのようです。まぁウケ狙いにしか見えないところもありますけれど、経済誌の「お約束」はこの程度のものなのかも知れません。
軽減税率に関しては落とし穴を掘ってその中にクッションを敷いておくようなものと言いますか、消費税撤廃もしくは消費税増税撤回の方が当然ながら好ましく、弥縫策の域を出ないところはあります。ただ何もやらないよりはマシですし、そもそもヨーロッパ各国では一般的な軽減税率の先駆であった物品税を施行していた日本にとっては馴染みやすい制度とも考えられます。今でも酒や煙草、ガソリンなど個別に間接税を徴収されている物品は少なくないだけに、やりようはいくらでもあるでしょう。
しかるに、すんげーバカが説くには「世帯の収入が高いほど、軽減税率による負担軽減額も大きくなる」そうです。本当に、凄いバカだと思います。そりゃ、負担「額」はそうでしょうよ。問題になっているのは公平性であって、それは収入に比しての負担「割合」で求められるものです。年収200万円の人が2万円分だけ軽減されて、年収2000万円の人が10万円分の軽減を受けたとして、それは確かにバカが言うように「世帯の収入が高いほど、軽減税率による負担軽減額も大きくなる」には違いありません。でも税率よろしく「率」で見たらどうなのか、こんな糞作文を自社サイトで掲載している日経の編集部の人間は、少しくらい考えてみるべきでしょう。
そして、最高のお笑いが冒頭に引用した部分です。「一生のスパンで見れば消費税に逆進性はない」と。その前提はなんと「遺産を残さずに寿命を終えるとする」ことだとか! う~ん、こんな非現実的な脳内設定を元に「逆進性はない(キリッ」などと強弁されても、消費税云々以前に論者の頭の方を心配してしまいます。もうちょっと現実的な想定に基づいて話を進めようとかは考えられなかったのでしょうか。まぁ、現実を気にしていては経済誌など成り立たないのは分からないでもありませんが。
「一時点における年収ではなく、生涯賃金ベースで増税負担を見る場合、「逆進性」は概ね消えてしまう」とバカは夢想します。しかし「一時点における年収」と「生涯賃金」は等価に扱いうるものでしょうか? 子供の頃、ローンや分割払いは愚かな選択だと思っていました。一括で払った方が安いのに、と中学2年生くらいの頃までは、そう思っていたわけです。たしかに、何事も一括払いの方が最終的に支払う金額が少なくて済むのは間違っていないのですが、それでもローンを組む人はいる、分割払いを選ぶ人がいるのは何故でしょう?
産まれたと同時に2億円の資産を渡されるのと、生涯を通じて2億円を稼ぐのと、あるいは死ぬ間際になって2億円を手にするの場合、いずれのケースも生涯賃金は2億円です。生涯賃金ベースでみれば、それも変わりません。しかし、三者に歴然たる差があるのは日経新聞編集部の人間でもなければ容易く理解できることでしょう。生涯の「合計」が同じであろうとも、それをいつの時点で手に入れるかで懐事情は全く異なってくる、それは当たり前のことです。
色々と切り詰めた生活をしている人にとって「買い物の都度に支払わなければならない税金」と「自分が死んだ時点で支払えば済む税金」、どちらが優しいでしょうか。仮に支払う金額が同じだとしても、実際に負担になるのがどちらなのかは誰の目にも明らかなはずです。「一時点における年収」に課せられる増税と「生涯賃金」に課せられる増税も然り、トータルでは同じに見えても支払いを迫られる時期次第で負担の度合いは大きく異なるもの、収入の低い時期ほど所得に占める納税額の割合が高まり、逆に収入が増えれば率が下がる、その様な税は言うまでもなく逆進的であり、これが逆進的でないというのなら「逆進~」という言葉の意味すらひっくり返ってしまいます。
参考、消費税についてのまとめ