<Sunday Column>
米共和党は2013年にある報告書を出した。タイトルは「成長と機会プロジェクト」。直前2回の大統領選で民主党のオバマ元大統領に連続して大敗し、立て直しに向けて総括をした報告書だ。延べ5万人以上の関係者から意見を聞いたうえで作成されたもので、本気度が感じられた。
約100ページの報告書では、「金持ちの白人男性の党」ではなく、さまざまな階層の人を手助けする党になることや、中南米系や黒人らの声を聞いて支持を得ること、若者や女性にアピールすることなど党変革の方向性を提言した。
特に、白人の出生率が低下する一方、民主党の強固な基盤である中南米系の人口増は著しい。人口構成が変わっていく中、大きくなる中南米系を取り込まなければ共和党の勝機はどんどん小さくなるという危機感が強かった。
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