石川

妻子救えず「俺は地獄に」　店再開の男性、痛恨の念に締め付けられ

　「2人は天国にいるけど、俺は（死んだら）会えるのかな」。石川県輪島市で居酒屋を営んでいた楠（くすのき）健二さん（56）は、2024年元日の地震で倒れてきた隣接するビルに自宅を押し潰され、妻と長女を失った。地震後、川崎市で始めた店は軌道に乗ったが、がれきに挟まれた2人を救えなかった罪の意識は片時も消

のと鉄道で語り部列車　「生かされている」から伝えたいこと

　「左手の急勾配の坂をご覧ください。あの白いガードレールに沿って、もう本当に逃げることで（頭が）いっぱいでした」。2両編成のディーゼル列車に揺られながら、宮下左文（さふみ）さん（67）は乗客に向き合い、「あの日の記憶」を語り始めた。能登半島地震を伝える「語り部列車」。恐怖と寒さに震えた体験を思い出す

「せめて制服だけは…」　被災直後の採寸会、子どもの笑顔にほっと

　石川県穴水町の衣料品店経営、小林英夫さん（59）は2024年元日の地震で義父を亡くした。義父から受け継いだ店は全壊。営業再開のめどが立たない中、大きな気がかりがあった。春に小中高校に進む子どもたちの制服の採寸作業をどうするのか。「せめて子どもたちの制服だけは、何とかしよう」　◇義父から受け継ぎ5代

能登地震１．１

進まぬ再建に危機感　輪島・道下地区　被災9カ月後で1戸　高齢化、人口減　建設業者らも減り　／石川

　石川県輪島市門前町道下（とうげ）の能登半島地震後の住宅再建戸数は、被災9カ月後の10月1日時点で1戸だけだったことが、同町郷土史研究会の大倉克男前会長の調査でわかった。2007年の能登地震後の住宅再建戸数は同じ被災9カ月後に47戸で、その差は予想外の大きさだった。大倉さんは「高齢化や人口減で地元に

犀川のほとりで　老舗訪問＝室生洲々子　／石川

　11月の下旬、犀星記念館では、「草ひばりの会」会員様限定のイベントを開催した。　今年は「金沢老舗訪問」を企画。野町にある、「落雁　諸江屋」さんと「中初商店」さんを訪ねた。　諸江屋さんの本店に集合し、会長の諸江吉太郎さんのお話を聞きながら、お店の中を見学する。正面右手上に、神社仏閣の名前が書かれた立

能登半島地震　心つながる「ありがとう」　小学生、被災者に支援物資　珠洲　／石川

　石川県珠洲市の仮設住宅でこのほど、同県七尾市の小学生が住民に支援物資を届けた。住民は「寒いのにありがとうね」などと笑顔で受け取った。　七尾市立小丸山小から訪れた3～5年生の児童9人が、珠洲市立みさき小グラウンドに建てられた仮設住宅50戸を一軒ずつ訪れ、レトルトのカレーやトイレットペーパーが入った袋

ｅｙｅ

能登半島地震1年　豪雨災害が追い打ち　苦境続く被災者たち

　元日の能登半島地震からまもなく1年。最大震度7の地震や津波、火災で甚大な被害を受けた被災地では、9月に豪雨災害が追い打ちをかけた。奥能登に再び雪が舞い始めた12月初旬、今も苦境に立たされている被災者たちを訪ねた。　「こんなとこまで流されてたんだ」。数日後に取り壊しの決まった自宅を訪れた石川県輪島市

来夏参院選　参政党、新人を擁立　石川選挙区に牧野氏　／石川

　参政党は27日、2025年夏の参院選石川選挙区（改選数1）に、新人で主婦の牧野緑氏（39）を擁立すると発表した。　牧野氏は青森県八戸市出身。高校卒業後に航空自衛隊に入り、石川県小松市の小松基地で勤務した経験があるという。以後、同県内で居住し、参政党の石川第2支部副支部長を務める。　27日に金沢市内

１２カ月目の能登

元祖アテの心配　／石川

　石川県の天然記念物となっている「元祖アテ」（同県輪島市門前町浦上）の運命も能登半島地震で影響を受けているようだ＝写真。元祖アテは2本で並び立ち、ともに樹高は約30メートル。幹周りは4メートルと3・6メートルで、樹齢は450年以上と推定されている。地震後も力強く天に太い枝を伸ばしている。　由来には諸

きょう、あす荒天の恐れ　北陸3県　／石川

　28日から29日にかけて冬型の気圧配置が強まり、北陸3県の気象台は荒天が続く恐れがあるとして警戒を求めている。　大阪管区気象台は、福井県から近畿地方にかけて大雪の恐れがあり、冬タイヤの装着を呼び掛けた。予防的な通行規制が行われる可能性があるという。　金沢地方気象台も、能登半島地震被災地で地盤が緩ん

寒ブリ水揚げ絶好調　石川県、過去20年で最高　富山、福井も景気良く　／石川

　長年、大みそかに食べる年越し魚や正月のお膳の主役として親しまれてきた北陸の寒ブリの水揚げが絶好調だ。正月の能登半島地震後、海底地形の変化も続々確認され、漁への影響が懸念されていたが、石川県ではシーズン序盤、過去20年で最高の水揚げに沸いた。年の瀬を迎え、数少ない今年の水産業の明るい話題になっている

能登半島地震　石川県内の死者498人に　関連死15人を追加認定

　石川県は27日、能登半島地震による県内の死者が498人になったと発表した。地震の影響で心身に負荷がかかり亡くなった「災害関連死」として15人が追加認定された。地震による死者は新潟、富山両県の計6人を含め504人となった。石川県内ではさらに200人超が関連死の申請をしており、死者数はさらに増える可能

「恩返ししたい」　被災の日本航空石川救ったライバル　高校ラグビー

　第104回全国高校ラグビー大会は開幕した27日、1回戦で日本航空石川が鹿児島実と対戦した。今年1月に起きた能登半島地震では、拠点を置く石川県輪島市が被災。直後は活動できない事態に見舞われたが、ライバル校の協力などで何とか練習を続けられた。県出身のCTB上野魁心（かいしん）主将（3年）は「地元の輪島

被災地に届けた1勝　日本航空石川が磨いた武器　全国高校ラグビー

　◇全国高校ラグビー大会1回戦（27日・東大阪市花園ラグビー場）　◇○日本航空石川73－8鹿児島実●　石川県輪島市にある日本航空石川は、元日の能登半島地震の影響で、学校ごと東京に一時移転している。慣れない環境で鍛錬を積む中、震災からまもなく1年を迎える被災地に1勝を届けた。　得意のプレーで試合の流れ

日本航空石川、2回戦へ　鹿児島実降す　全国高校ラグビー

　第104回全国高校ラグビー大会（毎日新聞社、日本ラグビー協会、全国高校体育連盟、大阪府、大阪府教委主催）は27日、東大阪市花園ラグビー場で1回戦があり、日本航空石川（石川）が鹿児島実（鹿児島）を73―8で降し、2回戦に進んだ。　日本航空石川は30日の2回戦で国学院久我山（東京第2）と対戦する。

核廃絶前進へ確信　石川被爆者・西本さん　知事へ平和賞授賞式報告　／石川

　ノーベル平和賞の授賞式が開かれたノルウェー・オスロから帰国した、石川県原爆被災者友の会＝2022年に解散＝の元会長、西本多美子さん（84）が26日、同県庁を訪問。馳浩知事に、「平和賞受賞が（核廃絶の）次のステップにつながることを確信した」と報告した。　授賞式があった10日、西本さんはノルウェー国会

再入居「やっと戻れた」　豪雨被災者、仮設住宅へ　輪島　／石川

　9月の能登豪雨で浸水被害があった石川県輪島市の仮設住宅で、復旧工事が26日までに全て終わった。再入居した住民からは「やっと戻れた」と安堵（あんど）する声が上がった。　輪島市では1月の能登半島地震で整備された仮設住宅2897戸のうち、豪雨により584戸で復旧工事が必要となった。浸水被害を受けた仮設住

「被災者の立場最優先に」　県知事　復興住宅44プラン公開　／石川

　石川県の馳浩知事が26日、県庁で年内最後の記者会見に臨んだ。元日の能登半島地震、9月21日の能登豪雨と大災害が相次ぎ、「来年がおそらく復興元年という位置づけになる。いまだに苦しんでおられる被災者の立場を最優先に尊重して、行政運営にあたりたい」と語った。　公費解体は、22日時点の完了棟数が1万354

能登地震１．１

新トンネル含め復旧案　道路復興促進協が発足　輪島　／石川

　石川県奥能登地方の交通の大動脈・国道249号の復旧が進み、27日には最大の懸案の一つとなっていた珠洲市真浦町と仁江（にえ）町の間で通れなくなっていた逢坂（ほうさか）トンネルの迂回（うかい）路が開通する。一方で、各集落をつなぐ生活道路の復旧が遅れている地域も多い。輪島市では年末に道路復旧・復興促進協

能登被災地に「希望の灯り」　神戸の支援団体が来年3月に設置へ

　能登半島地震から1年を迎えるのを前に、阪神大震災からの復興を願って神戸市に設置されたガス灯を石川県輪島市にも建立する取り組みが始まった。ガス灯の形状は能登の観光名所をイメージしており、2025年3月の設置に向けて支援を募るクラウドファンディング（CF）を実施している。　ガス灯のモチーフになったのは