東欧ハンガリーで昨年9月から始まった「ポテチ税」が、菓子業界を直撃している。売り上げ減を恐れてリストラに踏み切る企業が続出。3千人以上が失業の危機にさらされている。国民の健康向上と税収増を狙った奇策は、副作用も強かったようだ。 ■菓子業界、売上減に恐々 「62人の仲間とお別れしなければならない。すべてポテチ税のせいだ」 昨年10月、ハンガリー最大手の菓子メーカー「ボンボネッティ」のシャーンタ社長は地元紙に、従業員62人をリストラする考えを明らかにした。海外にもスナック菓子やチョコレートを輸出する1868年創業の老舗(しにせ)。全社員の約1割に当たる集団解雇に業界は騒然となり、地元メディアは「ポテチ税で菓子業界もダイエット」と書き立てた。 政府は、肥満防止のためだと理解を求めるが、菓子業界は納得がいかない。課税で見込まれる税収は昨年が約50億フォリント(約16億円)、2012年は約200億フ