学校現場で「非正規教員」が増え続けている。文部科学省の調査で、今年度は公立小中学校の教員の6~7人に1人に上ることが分かった。安定した職場と見られがちな学校だが、実際には「ワーキングプア」状態の先生も珍しくない。「このままでは生活ができない」。学校から先生たちの悲鳴が聞こえてくる。 山口県内の県立高校で非常勤講師を務める30代の女性は、昨春から2校掛け持ちで週3日、計8時間教壇に立つ。年収は百数十万円。教員の給与だけでは生活できないため、授業の合間を縫って週4日は塾講師と家庭教師のアルバイトをしている。「アルバイトが授業の支障にならないようにしているつもりですが、準備に十分な時間をかけられないこともある」と言う。 青森県内の公立小学校に勤務する30代の男性は過去6年間、常勤講師と非常勤講師の不安定な立場を繰り返してきた。非常勤の年は時給2790円で、1カ月もたたずに別の学校に移ることもあっ