すっかり寒くなって参りました。熱~く燗をした日本酒が恋しくなる季節でございます。 通の方からすると、良い日本酒を燗してしまうなどは言語道断、人肌程度のぬる燗が一等旨いのだとお叱りを受けてしまいそうですが、やはり寒いときは熱燗に限ります。 寒くなるのと同時に忘年会がボチボチと始まりまして、連日連夜の宴会が続きます。 「おっ、ヤマグチさん、お待ちしておりましたよ。相変わらず顔色が良いですなぁハハハハハ。いや今年もお世話になりました。ささ、奥のお席へドーゾ。え? 私が奥へ? 何をおっしゃいますやら。ヤマグチさんが奥、オク。そっちですよほら。お招きしたのはウチなんですから。ご遠慮なさらずにホント」 こちらとしても目上の方を下座に置く訳にはいきませんから、必死で抵抗します。 「いえいえそんな。私のような若輩者が奥へ座ったらバチが当たります。オクダさんこそ奥のお席へ。あ痛たたたた。肩を押さないで下さい