読者が関わる情報システムについて仕様書は完備しているだろうか。まともに作られていないとしたら保守フェーズで困ったことになる。仕様を理解するために、難解かつ膨大なコードをいちいち読み解く羽目になるからだ。それをやれる社内要員がいなければ開発ベンダーに体裁よく囲い込まれる。コードを読める社内要員がいるとしても、その人が退職した時点で詰む。仕様書がないシステムは「素人が綱渡りをしながらまだ落ちていない」だけの危うい存在である。 とはいえ、しっかり仕様書を書こうとしても、どの程度まで詳細にまとめるかが悩ましい。手間暇かけて詳しく書けば、いきなりコーディングしたほうが速いと思えてばかばかしくなる。いいかげんに書けばコードの品質を保証できないし、そもそも仕様書の存在意義が失われる。 どうすればよいのか。この問いにはすでに答えがある。2000年以降にアプリケーションの実装技術が進展したおかげで、エンター