「もう無理、死にたい」―こんな言葉を、私は何度も聞いてきました。彼らは本当に死にたいと思っているわけではない。でも死にたいと思うほど苦しいと感じている以上、いつ本当に死を選ぶかも分からない。家族や友人、身近な人がもし「死にたい」と思っていたら、私はどう関わればいいのだろうか。 その答えが知りたくて、今回取材を依頼したのがNPO法人「心に響く文集 編集局」代表・茂幸雄さんです。自殺防止に取り組む同法人の活動拠点は、国定公園ながら自殺の名所としても有名な、福井県・東尋坊。 生きる希望を見失い、今まさに崖下へ身を投げようとする方々に声をかけるため、東尋坊のパトロールを12年間続けてきた茂さんに、身近にいる人の自殺を食い止めるヒントを伺いました。 NPO法人「心に響く文集 編集局」代表・茂幸雄さん どの遺書にも「死にたくない」の文字ー自殺を選んだ人たちの悲痛な本音 茂さんが東尋坊で活動を始めたのは