女性下着メーカー大手のトリンプの看板商品「天使のブラ」シリーズが来年3月、発売から20周年を迎える。天使のブラは、「胸を美しくボリュームアップしたい」という日本女性の潜在需要を掘り起こし、「胸の谷間」という言葉を世に定着させたロングセラーのブラジャーだ。下着をめぐる女性の悩みに応えて、シリーズは50回以上も改良を重ね、進化し続けている。 天使のブラが世の女性に知られるようになったのは、発売2年目の平成7年に投入した春夏商品「天使のブラ ウルトラアップ」だ。ブラジャーに取り外し可能な厚手のパッドを入れることで、胸が下支えされて「谷間」がつくられる。当時の女性の間では「胸を強調したい」という意識が薄く、開発段階から社内でも賛否両論だった。 しかし、発売当初から開発に携わっていた戸所由美子・テクニカルイノベーション部長は「男性目線の大きな胸ではなく、『胸を大きく美しく見せたい』という女性自身