
----映画雑誌『イメージフォーラム』に加藤さんのダゲレオ出版評論賞受賞作が掲載されてから去年(2006年)でちょうど25年が経ちました。そして今年(2007年)は、加藤さんが50歳をむかえられる年です。この節目に過去四半世紀をふりかえって、映画批評と映画学にいったい何が起きたのかお聞きしたいと思います。 加藤 おかしな話ですが、20代前半のころ自分が50歳になる日が来ようなどとは夢にも思っていませんでした。ひとえに想像力不足のせいでしょう。もっとも20代前半で50代の自分を想像することなど、あまり健康的なことではないような気もします。いずれにせよわたしもまた死の緩慢な歩みを歩んできた者たちのひとりです。もっとも死の訪れは誰にとっても(あなたにとっても)早すぎるものでしかありませんが。 さて日本ではこの25年ほどのあいだに映画をめぐる言説に大きな地殻変動が起きました。1980年ころまで映画
センスのない学者と学識のない批評家。これは世の習いである。それでも例外はあろう。たとえばデイヴィッド・ボードウェルの『映画スタイルの歴史について』(ハーヴァード大学出版局)は、古典映画の泰斗(たいと)がポルデノーネ無声映画祭に通いつめて映画史初期の学識を活用した名著のひとつといえよう。 かくいうわたしも最近『映画の論理 新しい映画史のために』(みすず書房)を上梓し、奇跡的に本紙前号で好意的な書評を得た。しかしながらひとつだけ気になることがあった。そのことについて本紙編集部の御厚意とプロブレマティクな書評に対する読者諸賢の関心を梃子(てこ)に、ここに小文をものさせて頂く。 映画批評家の仕事とはいかなるものなのか。拙著と拙著をめぐる書評はその一点において大きく意見を異にしていた。書評を書いたのは横浜国大で教鞭をとる梅本洋一氏である。拙著の身体をなすのは五〇年代冷戦期のマイナー映画作家ニコラス・
Home > Library > Review > 25 2004/12/29 『書物の敵』 ウィリアム・ブレイズ 八坂書房 世の中には本の内容ばかりではなく、物体としての本が気になって仕方のない人たちがいる。そういう書物愛(ビブリオフィリア)に取り憑かれた人を愛書家と呼ぶが、この本の作者もその一人である。それだけではない。イギリス活版印刷の祖であるウィリアム・キャクストンの手になる本の蒐集者として知られ、後に書誌学として確立することになる学問の第一人者とも呼べる人らしい。専門の学者ではない。印刷を生業にする人である。 専門の学者でもない人が書誌学の礎となる業績をなぜ上げられたか、それは偏に本に寄せる愛情の賜物であった。印刷工として出発したブレイズは、英国初の鋳造活字によるキャクストン本を体系立てて蒐集し、活字の摩耗具合などから判断してイギリスで活版印刷が行なわれるようになっていった歴史を
12月14日にDVD発売を控えた「ブレードランナー ファイナル・カット」が、11月17日から新宿バルト9、梅田ブルク7にて、スクリーン上映されている。新宿バルト9では、その初日となる17日の午前0時からカウントダウン上映を実施。同作に大きな影響を受けているという押井守監督も出席し、トークセッションも行なわれた。 「ブレードランナー ファイナル・カット」は、製作から25周年を記念し、リドリー・スコット監督自身が再編集した最新バージョン。フィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作とし、2019年のロサンゼルスを舞台に、アンドロイドと賞金稼ぎ・デッカードの攻防が繰り広げられる。'82年の作品だが、東洋と西洋の文化が入り乱れカオスと化した未来都市ロサンゼルスの描写は、後のSF映画に大きな影響を与えている。 同作品には多くのバージョンが存在するが、「ファイナル・カ
携帯「いきなり半額」不当表示…公取委、2社に厳重警告 NTTドコモとKDDIが、携帯電話の基本使用料が半額になる料金プランを「いきなり半額」と強調して表示したチラシが、景品表示法違反(有利誤認)にあたる恐れがあるとして、公正取引委員会は16日、両社に警告した。 公取委によると、ドコモは今年7月27日〜8月21日、料金プラン「ファミ割MAX50」などのチラシで、KDDIは9月1日以降、「誰でも割」のチラシで、契約すれば「いきなり半額」になると強調。しかし、両社のサービスはいずれも2年の契約期間中に途中解約すれば、9975円の解約手数料がかかる仕組みで、両社ともチラシにはこの解約手数料を目立たないほど小さくしか表示していなかった。公取委は「携帯電話のようなサービスは消費者にわかりやすい表示にすべき」として、「厳重に警告する」という強い表現を盛り込んだ。 「顧客軽視」変わらず 景品表示法違反に
イーバンク銀行のWebサイト。最新ニュースの部分に「ATM手数料変更のお知らせ」が掲載されている(画像クリックで拡大) ネット銀行大手の「イーバンク銀行」が、12月1日からATM利用手数料の実質的な値上げを発表した。イーバンク銀行は、現金を入出金するためのATMを自社で持たないため、ユーザーは提携先のセブン銀行やゆうちょ銀行のATMを利用する仕組みだ。 これまでは、コンビニに設置されているセブン銀行のATMなら、1日何回でも無料で利用できた。しかし12月からは、クレジットなどの付加機能のないイーバンクキャッシュカードの場合、無料なのは入出金いずれかを月1回まで。2回目以降からは、入金にも出金にも210円の手数料がかかるようになる。イーバンク銀行をメインバンクとして使っているユーザーには、かなり厳しい値上げだ。
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