鈍い艶ときらめきをもち、ざらっとしているようでいてなめらかな肌。茶褐色とも錆茶色(さびちゃいろ)ともいわれる神秘的な色。2017年に日本遺産にも登録された日本六古窯(こよう)のひとつ、岡山県の備前地区で作陶される備前焼の特徴です。この素焼きのやきものと、生涯オランダのデルフトで作画を続けたフェルメールの名作「牛乳を注ぐ女」には、何やら親和性が…? 備前焼の窯元、一陽窯(いちようがま)の木村肇(はじめ)さんと和樂による、商品開発の物語をお届けします。 これって備前焼っぽくない? すべてはこのひらめきから生まれました ことのはじまりは、編集部での商品開発会議。特集「若冲とフェルメール、美の三原色」にちなんだ商品をつくって、誌上通販するべくの打ち合わせの場でした。編集長とデスク、ふたりの担当編集の4人が編集部の一角に集まります。 若冲の「鳥獣花木図屏風」をモチーフにしたブラシをつくろう、ゾウの絵