作家の夏目漱石(1867~1916年)に関する“権利”を巡って、親族の意見が対立している。漱石のひ孫らが4月「一般財団法人 夏目漱石」を設立。しかし、孫らが異議を唱え、財団のホームページは内容を削除した。 財団の代表理事は実業家の夏目一人さん。漱石の次男で随筆家の故夏目伸六の孫だ。ホームページに「夏目漱石の偉業を称えるとともに、文芸の復興を図り、豊かな社会の実現に寄与する」と設立目的を掲示。事業内容として人格権や肖像権などの管理、漱石記念館の設立、漱石賞の創設などを挙げていた。 これに反対を表明したのは、漱石の孫でマンガコラムニストの夏目房之介さん。6月中旬、財団から設立の知らせと協力要請の手紙を受け取った。その後、自身のブログに「漱石の著作権は戦後すぐに消滅している。漱石という存在はすでに我が国の共有文化財産であり、その利用に遺族や特定の者が権利を主張し介入すべきでないというのが私の理念