山根:『はやぶさ 遥かなる帰還』はすばらしい映画に仕上がりましたね。私は2003年5月の打ち上げから2010年6月の地球帰還まで「はやぶさ」プロジェクトを取材し続けてきましたので、その長い年月を、2時間16分というわずかな上映時間の中でどこまで再現できるのかちょっと不安だったんです。でも初号試写を見て、席から立ち上がれないほど感動しました。 野口:私が初めて編集ラッシュ(荒く編集した状態)を見たのは昨年の8月頃で、その時点では音楽もCGもなく、役者の台詞だけでした。でもすごく面白かったんです。私はこれまで約30本の作品に携わってきましたが、台詞だけでもこんなに面白いものができるんだと思ったのは初めてでした。瀧本智行監督からはCGのシーンを20分くらい作ってほしいと言われていましたが、編集ラッシュを見終わった後、「CGはいらないんじゃないですか?」と言ってしまったほどです(笑)。 山根:でも