横浜市で2009年、自転車の男子高校生=当時(17)=を乗用車ではね、けがをさせたのにそのまま逃げたとして、道交法違反罪に問われた運転手の男性被告(46)の判決が21日、横浜地裁であった。久我泰博裁判長は「被告は事故時、1型糖尿病に起因した無自覚低血糖のため分別もうろう状態となり、責任能力がなかった」と述べ、無罪(求刑懲役1年)を言い渡した。 判決によると、男性は09年9月1日夜、糖尿病治療のインスリンを注射し夕食を取った後、スポーツジムから車で帰る途中、横浜市中区で高校生をはね、頭に傷を負わせた。事故の約20分後、警察官がフロントガラスが割れたまま走る車を見つけ、男性に職務質問。男性は「後方で何かにぶつかった」と答えた。 久我裁判長は専門家の鑑定に基づき、男性は血糖コントロールが必ずしも良好でなく、無自覚低血糖のため以前から分別もうろう状態で周囲の状況を正しく理解できないことがあったと認