過去を懐かしむことは決して悪いことではない。しかし、昭和ノスタル爺の懐かしみ方は常軌を逸している。昭和は本当に良かった時代なのか!? “昭和ブーム”の浅薄さを検証し、その後ろ向きな懐古主義がもたらす弊害について考えてみた。 【昭和懐古主義派の主張】 ◆青少年の凶悪犯罪が増えた平成に比べ、昭和はのどかでよかった。道徳心は昔のほうが高かった 「現在は秋葉原通り魔事件や酒鬼薔薇事件など、歪んだ青少年犯罪が増えている。全体の犯罪件数も昔より多い」と嘆くのは、古き良き昭和を尊ぶ人の決まり文句。その理由として「昔は他人を出し抜こうとせず、皆、助け合っていた」「子供の頃に厳しい“しつけ”を受け、人の道を外さない精神が備わった」とするのだが……。 【実際は……】 ◆今より格段に多かった犯罪。少年による猟奇的事件も 犯罪は昔のほうが多かったとのこと。平成22年の刑法犯の検挙人員は8万5846人だが、法務省