稀代のヒットメーカー、スティーブン・スピルバーグ監督の最新作『フェイブルマンズ(原題:The Fabelmans)』が、トロント国際映画祭の最高賞となる観客賞を受賞した。たちまち来年のアカデミー賞の最有力候補となったわけだが、その内容はなんと監督の実体験がもとになっている。 なぜ自らの過去を語らなければならなかったのか? 米紙「ニューヨーク・タイムズ」の貴重なインタビューをお届けする。 50年以上にわたり、スティーブン・スピルバーグはこの世のありとあらゆるテーマを題材に映画を手がけてきた。サメ、恐竜、地球外生命体、海賊、スパイ、兵士、歴史上・空想上のヒーローなどなど。作品の幅においてスピルバーグに比肩する映画作家はそうはいない。だが、たった一つ、スピルバーグが避けてきたテーマがある。彼自身のことだ。 今までは。 『フェイブルマンズ(原題:The Fabelmans)』は、スピルバーグ一家を