かつて活躍した列車を一堂に集めた鉄道博物館(さいたま市)のオープンから2カ月が経過し、16日までの来館者数は予想を超える約44万人に上った。鉄道ファンからひときわ熱い視線を集めているのは製作費1億円以上をかけた「世界初」の蒸気機関車(SL)の運転シミュレーター。コンセプトは「本物を後世に残す」だ。 ▽希少チケット 「ハンドル操作の臨場感がたまらない。上達するまで何度も来ます」。小学生の時以来の鉄道ファンという宇都宮市の派遣社員、山上正輝さん(35)は興奮気味。 シミュレーターは「じっくり堪能してもらいたい」との考えから、客1人が“運転”を終えるまでに15分間を要する。このため運転席に座れるのは1日に約30人。館内の整理券発行機前には、毎日午前と午後の発行時間前に“希少チケット”を求めて長い列ができる。