新聞やテレビなどであまり報じられることはないのだが、現在国立大学は安倍内閣による大変な「改革」の波に曝されている。 「スピーディな意志決定」を売りにするこの「ヤンキー政権」は、自民党が過半数を握っているこの時期に一気に彼らの言う教育「改革」を進めるつもりらしい。 ろくな議論も反省も洞察もなく「気合さえあれば何でも解決できる」という斎藤環が言うところの社会の「ヤンキー化」は、憲法解釈の変更ばかりでなく、ついに大学教育の現場まで飲み込もうとしているのだ。その戦略的に畳み掛けるような政策の押し付けはある意味見事ですらあるが、根本的に間違っている政策なので、これによって国立大学、もしくは日本の大学教育全般が受けるダメージも半端なものではないだろう。元々腐りきっていてかろうじてふらつきながらも踏ん張っているような日本の国立大学が、これで最後の支え棒を奪われて崩壊してしまう危険性も高い。 ひとつはこれ
【村上宣雄】国立大学の教員の給与について、文部科学省は、年功序列を改めて退職金を廃止し、業績を反映させる年俸制への転換を進める方針を決めた。「競争がなく、ぬるま湯体質だ」との批判もある国立大の組織全体の活性化を進めるのが狙いで、26日にまとめた「改革プラン」で示した。当面の目標として、理工系を中心に2015年度末までに1万人を年俸制に切り替えるとしている。 文科省はあわせて、企業からの研究資金などを年俸に組み込む「混合給与」も進める。また、教授の定年退職の際、「弟子」の准教授を無条件に昇進させるのではなく、有能な若手や外国人の登用を促す。 国立大は全国に86校あり、教員の総数は約6万3千人。文科省によると、現在も新規採用や年数を限った契約で年俸制をとるケースはあるが、全体で数千人にとどまるという。 計画では、勤続年数が長い教授らも終身雇用を維持しつつ年俸制への転換を進める。退職金を廃止する
【花野雄太】文部科学省は、公立小中学校の全学年に少人数学級を導入する計画を断念することを決めた。今年度までに小1、小2の「35人以下学級」を実現した民主党政権は、新年度から5年間で中3まで全学年に広げる計画を立てていたが、政権交代で白紙に戻った。 文科省は昨年9月、小3〜中3を35人以下学級にするには教員1万9800人の定数増が必要と判断。2013〜17年度に実現する計画で、新たに1学年分を増やす3900人分(85億円)の予算を概算要求していた。どの学年に先に導入するかを都道府県が選ぶ方法を想定していた。 しかし、自民党内には全国一律の底上げよりも、学力向上やいじめ問題対応などに焦点を絞った追加配置(加配)の方が費用対効果が高いとの主張が強い。その意向を受けた財務省と文科省が調整した結果、(1)小学校で担任とは別に理科や英語を教える専科教員を配置する(2)いじめ問題への対応などで生徒指
大阪市立桜宮高校の男子バスケットボール部の主将だった2年の男子生徒=当時(17)=が体罰後に自殺した問題に絡み、同校体育系2科の今年度の入試中止を市教委に申し入れている橋下徹市長は16日、市教委に同校普通科の入試実施についても最低条件として「校長や教員の総入れ替え」を求めた。市教委幹部が明らかにした。 幹部によると、橋下市長は同日朝、メールを市教委幹部に送信。このメールでは「桜宮高校普通科の入試を継続するにしても、校長や教員の総入れ替えは最低条件だと思います。そこまでの人事をやって、やっと普通科入試はギリギリOK」と伝えた上で、「適切な人事権の行使をやってください。茶を濁すような人事はダメ」と強く迫る内容になっている。 市教委では対応を検討しているが、市教委幹部は「生徒指導の継続性の点から、総入れ替えは支障が大きい」と述べている。
中教審は28日の総会で、新卒者の教員免許を2種類にし、正規教員として教えるには原則、大学院修了を要件とする制度を創設するよう平野博文文部科学相に答申した。 文科省は今後、カリキュラムや取得条件などの具体的な制度設計に着手し、受け皿となる教職大学院の拡充を推進する方針。ただ、現状では修了しても教員採用で優遇されないなどメリットが薄いため定員割れの教職大学院も多く、実現には課題が残されている。 新制度は、大学4年に加えて大学院で1~2年学んで取得できる免許を「一般免許」と規定。大学院では教育実習中心で指導力を養い、情報通信技術の活用など新しい指導法も学ぶ。 大卒だけで得られるのは「基礎免許」とし、担任をせずに授業補助などに役割を限る案もあるが、仕事の範囲は今後の検討課題とした。別に、中堅教員が大学院で学び直し、生徒指導や教科指導で高い専門性を身に付けて得られる「専門免許」も設ける。
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