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シリーズ物の娯楽映画の中にあって、「特別な作品」として突出してしまう一本がおうおうにしてあります。たとえば「007シリーズ」の『ロシアより愛を込めて』であるとか、「ルパン三世」における『カリオストロの城』のような作品です。シリーズというわけではありませんが、中川信夫監督の『東海道四谷怪談』も、芝居を含めて同じ原作が何百回もリメイクされている中での「特別な作品」だと言っていいでしょう。 いずれもシリーズ物に本来内包されている「設定とキャラクターの面白さ」に加えて、スタッフや役者の才能が絶妙のタイミングで絡み合って、シリーズでも二度と再現できないような、奇跡的傑作になってしまったものです。 現在公開中のクリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』もまた、「特別な作品」であります。『バットマン・ビギンズ』に続く、「新生バットマン」シリーズの最新作。これも60年代のTVシリーズや、ティム・バートン
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