愛知県碧南市の民家で、戦時中に撃沈された旧日本海軍の伊号第29潜水艦の乗組員が文芸作品などを寄せた艦内誌「不朽」の創刊号が見つかった。 表紙は劣化しているが、活字や写真の保存状態は良く色刷り部分も鮮明。地元では平和教育の教材にとの計画もあり、艦とともに海に沈んだ乗組員たちの思いが70年ぶりによみがえる。 冊子は、B5判ほどのサイズで100ページ余り。機械工具販売会社を営む杉浦秀延さん(55)が今年3月、自宅の書棚を整理中に見つけた。地元の戦史研究家らと調べ、同艦の艦内誌「不朽」創刊号と分かった。 創刊号は撃沈される前年の1943年(昭和18年)に刊行された。巻頭で「伊二九潜の名に因(ちな)み(中略)、『不朽』と名づく」と誌名の由来を記し、潜水艦隊司令や艦長の文章が続く。乗組員たちは俳句や短歌、川柳、短編小説など数多くの作品を寄せ、敵船を撃沈する場面や艦内での演劇の写真も掲載されている。 戦